2023年04月12日

金融市場を大きく歪めてしまった史上最悪の黒田日銀総裁

今月、日本銀行新総裁に就任した植田和男氏が最初の仕事となる就任会見に臨みました。会見では物価安定・金融市場安定を掲げていましたが、世間が気になる異次元の金融緩和継続については踏襲するとのことでした。






基本的に黒田日銀路線継続とのことですが政策方針について気になるところがありまして、(金融緩和の)副作用について植田新総裁かなり気にされているようです。そして金融政策の正常化にも着目しているようで、異次元にしつこくこだわり続けた前任者とは違って健全な金融市場の舵取りを心掛けているようです。まだ就任したばかりですが植田総裁の手腕に注目したいところです。





今回は日銀のこれまでの金融緩和政策について総括してみたいと思います。10年前に就任した黒田東彦日本銀行総裁は異次元の金融緩和を政策に打ち出し市場に大きなインパクトを与えました。インフレ率の目標値を2%と明示し、それを2年と期間を限定する。それにともなう国債購入額を劇的に増やしていくというもので、この強烈なインパクトに市場は反応し、たちまち急激な円安株高が進むことになります。


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この異次元の金融緩和策を掲げた黒田東彦葬祭は日本経済の救世主と崇められたこともありました。株高円安だけではなく、経済回復基調の数値もぞくぞく出てくるなど効果があらわれていました。しかしその効果も2014年の消費税増税で打ち消されることになります。



経済を良くするために金融緩和やっておきながら一方で景気を悪くする消費税アップしてしまうあべこべな政策により日本経済に大きな影を落とすことになります。日銀も物価目標達成のため異次元の金融緩和を更に強化した追加緩和策を2014年10月に打ち出します。


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2%の物価目標もほど遠く、逆に消費意欲を低下させデフレに逆戻り。金融緩和を更に拡大させたところで、消費税増税の影響が大きすぎて企業の設備投資も伸びる訳がありません。更に追い打ちをかけるように政府は2019年に消費税を8から10に増税してしまいます。日銀と政府のあべこべ政策に国民は翻弄されてしまうことになりました。


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マイナス金利もETF買入も張りぼての景況感演出では経済効果は得られず、そして昨年の150円もの超円安による物価高を招く要因となってしまうのです。それでも盟友安倍の失策を掻き消すために記録的な円安をプラスとうそぶく神経には反吐がでます。





そして日銀総裁としての最後の会見では「デフレではなくなった」と得意気に息巻く厚顔ぶり。





全世界を貶める強インフレによる物価高に苦しめられる中、国民感情を逆なでするようなこの物言い、賃金も上がらないのに物価高が襲来したらそりゃデフレにはならなくなるでしょう。しかし決して良いインフレにはならずスタグフレーションになりかけてる状態です。実質賃金は減少し、国民生活は困窮を極めるありさま、だらだら引き延ばしてきた金融緩和の弊害も影響しているでしょうね。






アベノミクス主導者の安倍元総理にとって金融緩和を第一の矢として掲げるリフレ派の黒田はまさに適任者、そして消費税増税を積極的に後押ししてきた元財務官僚らしく、財務省としても都合の良い適任者なのです。安倍からすれば金融緩和による物価目標達成よりも、金融緩和で市場操作をして株高と円安を演出してくれればそれで良いのですからこんな都合の良い人物はいません。そんな人物を日銀総裁に、それも2期もやらせた安倍元の罪は限りなく大きいものです。金融市場を大きく歪めてしまった史上最悪の総裁であったと断言させていただきます!




posted by yuuponshow at 18:10| Comment(0) | 追加金融緩和策 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2022年12月21日

アベノミクスの終焉、日銀長期金利0.5%引き上げで金融緩和は実質終了

まさに青天の霹靂、これまで頑なに長期国債金利上昇を抑え続けてきた日本銀行が、長期金利の誘導目標を修正し、変動を認める上限を0.25%から0.5%に引き上げました。





これ預貯金金利に反映される政策金利を引き上げると勘違いされている方もおられるようですが、引き上げるのは(国債)長期金利です。各国の中央銀行が決めるのが政策金利であるのに対し、長期金利を決めるのは市場です。つまり政府や中央銀行の範疇外で金利が操作されることになるのです。金利が上昇することで景気悪化を招く懸念があることから日本銀行は金利を操作するイールドカーブコントロール(YYC)という国債買支えの介入行為で長期金利を0.25以下に抑えてきましたが、それを0.5まで許容範囲を広げることになります。




これにより変動したのが為替相場で、ドル円137円が数分で132円へ5円円高が進むことになりました。現在131円と円高が更に進むことになります。株式市場も1000円の下落と、金融市場は大混乱を呈することになりました。これまで頑なに金融緩和堅持のため0.25の壁を死守し続けていた日銀・黒田総裁でしたが、任期満了を3か月後に控えてどういう心境の変化なのでしょうか。それとも政府筋からの圧力でもあったのでしょうか?







三橋貴明ブログで日銀の方向転換について分かりやすく解説しています。「これは利上げではないし、金融緩和は拡大する!」と力強く訴えてます。なるほど、確かに手段はそうですが、色んな報道ベースを見ると実質的な利上げと報じられています。利上げなのか?利上げじゃないのか?実はどちらも正しい見解です。三橋ブログは政策手段のことを言っており、報道ベースは今後の展開を加味して「実質」と付けているのです。




市場の動きを見れば一目瞭然、金融緩和を強化とは言え、日銀はイールドカーブコントロールの修正は金融市場に大きなインパクトをもたらし、5円もの超円高となりました。そして黒田総裁の任期は3ヶ月、残りの任期でやれることなど限られており、黒田総裁の掲げたインフレターゲット2%の目標は頓挫する形で任期を終えることになりそうです。しかも金融市場を歪め、物価高や景気悪化を招いた元凶として歴史に名を残すことになるでしょう。



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しかしYYCによる過剰な国債買い入れが緩和したことで、歪んだ市場も少しずつ改善されていくことになりそうです。またETF買入れによる株式市場への介入も酷かった。身の丈をはるかに超える企業収益率(PER)の企業が続出し、日銀が筆頭株主というあまりに歪んだ株式市場も解消されることになると思います。アベノミクスによってもたらされた株高は、主演・安倍晋三そして演出家・黒田東彦によって創作された中身のないうすっぺらなハリボテだったのです。




今後の日銀総裁人事はまだ不透明ですが、少なくとも黒田のような無茶な市場介入をすることはないと思います。あれだけやって失敗したのだから、それも10年も!これを是正するとなると大変ですが、いつまでもハリボテで装う余裕もないでしょう。岸田総理は緊縮派と言われており、政権に意に沿った人事となれば、安倍&黒田とは真反対の金融政策となりそうです。仮に総理交代しても同様です。すべては安倍元総理が独断で主導した異次元且つ歪みに歪めた金融緩和なのですから大きな修正は避けられそうもありません。それが良いのかはともかく、あまりに行き過ぎた金融緩和は失敗という形に終わり、今後に大きな禍根を残すことになりそうです。


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2018年02月20日

消費税増税後推しの黒田日銀総裁異例の再任は日本経済へ悪影響をもたらす

任期が切れる日本銀行総裁を始めとした副総裁人事について、政府は黒田東彦日銀総裁を引き続き再任する意向を固めました。任期は五年で再任となると約60年振りとなり、ここ最近ではなかった日銀総裁の再任という異例の人事となりました。


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黒田総裁が就任当初掲げていた二年での物価目標の2%達成は叶わず、何度も何度も目標達成時期を先延ばしにするも達成の見通しは絶望的な状況です。日本の経済成長率も横ばいかやや下降傾向という状況から見ても交替が適切かと思いきやまさかの再任とは驚きでした。しかしこの黒田は安倍政権にとって使いやすい駒であることは間違いありません。


金融緩和を第一の矢として掲げる安倍政権にとってリフレ派の黒田はまさに適任者、そして消費税増税を積極的に後押ししている元財務官僚らしく、財務省としても都合の良い適任者なのです。安倍からすれば金融緩和による物価目標達成よりも、金融緩和で市場操作をして株高と円安を演出してくれればそれで良いのですからこんな都合の良い人物はいません。それに黒田継続は市場のネガティブ要因を払拭させる効果もあるのですから。




黒田日銀総裁の一期目については最初の金融緩和だけは評価しますが、後やった二回の追加緩和は余計でした。特にマイナス金利は金融機関経営を圧迫する要因となり、実際に金融機関の収益力が落ち込み、却って日本経済に悪影響を及ぼす実害が現れ、新たな問題も表面化してきています。









金融緩和だけで景気が良くならないことはこれまでの黒田体制を振り返ればお分かり頂けると思います。日銀の金融政策と併せて政府主導で財政出動を行わなければならないのに、政府は逆に消費税や社会保障費を引き上げて景気にブレーキをかける始末、おまけにプライマリーバランス重視で景気対策も抑制される有様では良くなる訳がありません。



結果が出なかったことで日銀だけに責任をおっかぶせるのも可哀そうな気もしますが、黒田も消費税増税を後押しし、その上で目標達成を公約としていたので同情できません。任期満了をもって交替させるべきですが、異例の再任となったのは目標達成まで最後まで責任を取らせようという政府の思惑が垣間見えます。



金融緩和もマイナス金利に関しては先述の通り経済への悪影響をもたらすことになるのでいち早く修正軌道させなければなりませんが、黒田再任ではそれも叶わないので日本経済にとってお先真っ暗です。無策の安倍政権と実害をもたらす日銀とのタッグは日本経済をますます疲弊をもたらすことになるでしょう。


posted by yuuponshow at 18:02| Comment(0) | 追加金融緩和策 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする