2022年09月21日

拉致問題を政治利用してきた罪深き安倍元総理

メディアの世論調査ではいずれも反対派が賛成派をダブルスコアに近いポイントで圧倒する結果となるなど、安倍元総理の国葬に批判の声が高まり強くなっている状況です。先日慎ましく執り行われた英国・エリザベス女王の国葬とは対照的に、一宰相の、それも、在任中に次々スキャンダルが発覚しても意に介さず、メディアを手籠めにかけて報道を極力抑えさせ、国民が忘れるのをひたすら待つ、このアベの戦法を今回の統一教会問題でも岸田が継承しているように思えてなりませんが、こうした行為がアベ国葬反対の声が圧倒的になったものと思われます。


国葬にしてしまえばこれらの蛮行はすべて水に流れると思ったのでしょうが、却って大きな禍根を残すことになるでしょう。それに輪をかけるかのようなことも明らかとなっています。





民主活動家を死刑執行し、国民を次々と虐殺する非道の限りを尽くすミャンマー軍政トップをアベ国葬に招待する岸田総理。「民主主義を守る決意を示す」という国葬の意義に、民主主義を軍事力で破壊したミャンマー軍政を招待するのは到底理解できる訳がありません。それにミャンマー軍事政権の留学生を自衛隊に招いて訓練を受けさせるなど自民党とミャンマー軍事政権は蜜月の間柄。統一教会もですが、殺戮非道国家との癒着する自民党が主催する日本の恥さらしイベントを国民の税金で行うなど理解できる訳がありません。この異常なイベントを強行する姿勢に遂に身内から異論を通り越した手厳しい批判が飛び出すことになりました。





村上誠一郎衆院議員は不参加の理由について、「国葬に納得できないため」と説明し、「安倍氏の業績が国葬に値するか定かではないうえ、国民の半数以上が反対している以上、国葬を強行したら国民の分断を助長する」「こうしたことを自民党内で言う人がいないこと自体がおかしなこと」「財政、金融、外交をぼろぼろにし、官僚機構まで壊した。国賊だ」と語りました。まったくもって正論であり、異論の余地はありません。しかしアベ元総理を国賊とまでこき下ろす辛辣な批判は党内からの反発を招くことになりかねません。反発が高まり排除されるか?それとも村上氏の声に呼応する形で賛同者が集結するのか?後者であれば自民党にもまだ望みはありますが、果たしてこの結末は如何に!?



国葬賛成派の中には、総理としてのこれまでの実績(ほぼないようなものですが)よりも、思想信条で支持する人もいると思います。例えば拉致問題、これまでの国会議員の中で最も拉致問題に取り組んできたのは安倍さん、という意見が多いのは確かです。2002年9月の小泉訪朝に同行した安倍当時副官房長官の北朝鮮金正日を厳しく睨みつける視線が当時話題となりました。この歴史的両国首脳の握手も、裏で安倍が取り仕切り「決して笑顔を見せないように!」と小泉総理に助言したと言われています。



小泉訪朝 睨むアベ.PNG



そしてこの翌月、拉致被害者が一時帰国することになりますが、この時に拉致家族が北朝鮮に戻るのを阻止したのが安倍晋三と言われており、この説はいまだに語り継がれています。この件があったからなのか分かりませんが、拉致家族からの信頼がより強いものになったと言われています。ところが、当時の安倍の上司である福田康夫氏が最近になって安倍氏が北へ戻るのを阻止したことを否定するインタビュー記事が掲載されています。





拉致被害者家族の蓮池徹氏が、自分が中心になって北へ戻るのを阻止したとメディアや文献などで周知しているように、安倍本人は係わりはないのは間違いないでしょう。冷静に考えてみて、そんなことをしたら今後の拉致被害者帰国の交渉に支障がでるのは明らかであり、北に残した家族が何をされるか分からないし、政府役人の立場からして北へ戻るのを阻止するのは無茶としか言いようがありません。しかしなぜか「北へ戻るのを阻止した安倍さん」が保守界隈から評価されていることに違和感を抱かずにはいられません。そしてそのことを安倍本人も否定する訳でもなく、政権維持のために拉致問題を利用していたと蓮池徹氏に批判されても仕方がありません。そしてもう一つ拉致問題を利用していると言われている案件がこれです。





拉致被害者が生存していると北朝鮮側から伝えたことを問い質されると、安倍総理はまともに答えようとしない、安否の確認を怠り6年も放置していたことが明らかになったこの国会質疑は大変衝撃的でした。安倍政権では拉致問題が進展しないのは当然です。向こうから持ち掛けられても交渉の席に着こうとせず、北へ強硬な姿勢を示すだけなのですから。それなのに拉致問題では他の誰よりも取り組んでいると持ち上げる罪深い一部保守界隈の連中、拉致問題は安倍政権の礎として政治利用されたと言われても仕方がないでしょう。



法的根拠の問題もありますが、皇族以外で国葬で弔われる人物とは誰からも尊敬されるべき人物であることが最低条件であると思います。安倍元総理がその人物だったのかと言えば、決してそのような人物とは言えるはずありません。国葬反対の声が多数を占めているこの状況がすべてを物語っていると言えるでしょう。


posted by yuuponshow at 18:40| Comment(0) | 安倍政権批判 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2022年09月14日

行くも地獄、退くも地獄アベ国葬が岸田政権を窮地に追い込む

今月8日に逝去されたイギリスのエリザベス女王の国葬が19日に決定となりましたが、世界各国の首脳はこぞって国葬参加を表明しています。







同じ月に行うことになり、エリザベス女王との比較対象にされてしまっている我が国の安倍晋三元首相の国葬(儀)。残念なことですが、各国首脳が一同に介するエリザベス女王の国葬とは対照的に、非常に寂しいものになりそうです。







決定のプロセスにしてもイギリスは女王陛下であろうとも議会承認を得て、初めて国葬となるイギリスに対して、国会を通さず内閣の閣議決定だけで決定してしまう日本、同じ議院内閣制とは思えない国政運営の差が如実に表れたような思いです。



もっとも安倍元首相の場合は憲法違反だの法的根拠といった指摘よりも、すべて税金で賄う国葬に相応しい人物か?ということに当てはまると思いますが。現に国葬開催の是非を巡るアンケートにおいてメディアはすべて反対が上回っている状況ですからね。更に地方議会でも相次いで国葬反対意見書が提出されています。国を二分するというか7・3の割合で国葬反対が占めているのにロクに説明もせず強行に邁進する岸田政権の支持率は下落の一途を辿るばかりです。







40%にまで下落したとは言え、それでも高く感じてしまいますが、いまだにこんな説明もまともにできない困窮する経済事情を見て見ぬふりする政権を支持できる人ってマゾか何かなのでしょうか?




ところで日本政府は国葬(儀)を執り行うに際して、このような案内状を送付しているそうです。










この議員や著名人の欠席表明の声は国会審議を通さない国葬という政治的意味合いが含まれており、これに意志を表明することは非常に大事なことだと言えます。ところがそういう主張を理解できない自民サポ輩から執拗に絡まれてしまうことになりました。








上二つのアベサポのツイートは置いておいてこのところ統一教会に批判的なツイートを投稿しているひろゆきまでもが国葬反対の表明をしているアカウントに批判めいたツイートをしています。政権批判に取られないようバランスを取ったツイートを心がけているのでしょうが、国葬欠席を表明する行為は何も死者を咎めるような批判ではないのです。政治的主張に対する批判を込めたものなのです。




「死者を冒涜するな!」日本人的な美学とも言えますが、世論調査にもあるように国葬反対の声が多いことからして国葬と決定するまでのプロセスがあまりに民主主義国家としての体を成していないことからの主張であり、主張には正当性があります。




一般的な葬儀とは違い、政治的主張の意味合いが強い国葬という行事に異論を唱えることに何ら批判される覚えはありません。そしてこれまでの安倍元総理の総理大臣としての総括を鑑みれば、国葬を行う人物として相応しいのかと言えば世論調査からして決して相応しいものとは言えません。このように全国で反対デモが展開されていることからも分かるように国葬は日本国の一存では決してないのです。



あべ国葬反対.PNG




短絡的に国葬を決定した岸田政権ですが、今月27日に執り行う安倍元総理の国葬においては、既に失敗であることは明確です。国葬儀は執り行われることになるでしょうが、岸田政権にとってはマイナス材料でしかありません。行くも地獄、退くも地獄、人気取りのための国葬開催は支持率凋落中の岸田政権にとって更なるダメージとなるでしょう。


posted by yuuponshow at 22:30| Comment(0) | 安倍政権批判 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2022年05月10日

安倍元の自己保身で出た誤った認識「日銀は政府の子会社」

前回に引き続いてまたしても安倍元について取り上げさせていただきます。地上波テレビでは取り上げていませんが、Webサイトニュースで話題になっている安倍元の「日銀は政府の子会社」発言が大きく賑わしています。







論評する前にこの安倍元の発言が出た経緯について、いわゆる国の借金1000兆円と言われる多額の国債を日本銀行が買い入れている日銀の政策を正しいことだと主張しているのです。そもそもアベノミクスの看板政策が金融緩和ですから自己弁護しているようなものですが。よって日本銀行は政府の子会社であるから、(返済を)返さないで借り換えていくことができる。それも何回でもと述べているのです。




この発言についてはネットでは賛否が分かれています。アベシンパはともかく、日頃安倍元や自民党に批判する層からも「言ってることは正論」と主張しているのです。







言いたいことはよくわかります。日本銀行は国の金融業務にかかわる事務・管理する仕事も担っており、政策を決定する委員は内閣が推薦し、連結決算もしていることから「政府の銀行」と言われていることは間違いではありません。ただし総理を務め、且つ与党自民党内で幅を利かせるキングメーカーのような人物が子会社という発言を安易に用いる場合は事情が変わってきます。



そもそも日本銀行は独立性、中立性が十分「尊重」「考慮」されるべきと日本銀行法に定めています。独立性を重んじるのに政治家が、しかも総理をやっていた人間が子会社とか言えば大問題になるのは当然でしょう法律を無視しているのだから。







外野がワイワイ議論を戦わせるのは勝手にすればいいが、「政治家」が子会社と言うのは認識として間違えているということです。現に日銀総裁も政府の子会社論を完全否定しているのですから。しかし大量のETFの買い支えをやっているアベ友の日銀総裁が独立性を主張するのは説得力に欠ける気もしますが(笑)



そしてこの論は、安倍元が総理大臣時代にやってきた消費税増税については明らかに矛盾しているのです。確か国の借金がどうたらとか言っていたのに、借り換えで返済の必要ないならば消費税など必要ないし、すべての税金を取る必要もありません。



それと日銀が今やっている長期金利を抑えるため毎営業日に必死でやってる指値オペ、これも金利があがっても含み損を抱えても借り換えでも破錠しない無問題なはずです。これについて日銀に指値オペなど必要ないと説き伏せるべきなのですが、それもしないのはなぜなのでしょうか?



要するに消費税増税も指値オペ容認も、借り換え無問題の主張と明らかに矛盾が生じて論理が破錠しているのです。そしてこの発言の日本通貨の国際的信用を失墜させかねない危険性が生じているのです。これを現総理や閣僚が用いればどうなるでしょうか?円の価値が一瞬で吹き飛ぶし、価値がなくなり円安は酷いことになるのは目に見えます。



株高円安を誘導した安倍政権ですが、ここ最近の動きは円安なのに株は絶賛下落傾向です。これに債券安が重なれば完全な日本売りになるでしょうね。


安倍 子会社.PNG



この男については元総理という肩書だけではなく、自民党内を牛耳るキングメーカーとして幅を利かせていながらこのような不用意な発言を平然繰り返していることが問題なのです。本来ならば政界引退どころか牢屋にぶち込まれて(少なくとも河合夫妻問題については)当然の人間です。この男が幅を利かせている今の政界は異常事態であると申し上げておきましょう。

posted by yuuponshow at 18:35| Comment(0) | 安倍政権批判 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする