国葬にしてしまえばこれらの蛮行はすべて水に流れると思ったのでしょうが、却って大きな禍根を残すことになるでしょう。それに輪をかけるかのようなことも明らかとなっています。
安倍国葬を実施する理由の一つが「民主主義を守るため」なのに、恐怖政治で子供まで殺害しているミャンマー国軍のトップを国葬に招くのか。
— 大神 (@ppsh41_1945) September 18, 2022
もはや建前すら放棄してて呆れる。
【悲報】本日「勉強中の子供11人を射殺」ミャンマー国軍のトップを安倍国葬に招待し無事くる模様 https://t.co/Jeos8wL25p
民主活動家を死刑執行し、国民を次々と虐殺する非道の限りを尽くすミャンマー軍政トップをアベ国葬に招待する岸田総理。「民主主義を守る決意を示す」という国葬の意義に、民主主義を軍事力で破壊したミャンマー軍政を招待するのは到底理解できる訳がありません。それにミャンマー軍事政権の留学生を自衛隊に招いて訓練を受けさせるなど自民党とミャンマー軍事政権は蜜月の間柄。統一教会もですが、殺戮非道国家との癒着する自民党が主催する日本の恥さらしイベントを国民の税金で行うなど理解できる訳がありません。この異常なイベントを強行する姿勢に遂に身内から異論を通り越した手厳しい批判が飛び出すことになりました。
国葬欠席を表明した自民党の村上誠一郎議員。安倍氏の政権運営が「財政、金融、外交をぼろぼろにし、官僚機構まで壊した。国賊だ」と厳しく批判した。正論だ。国賊を国葬にすれば、それは大きな歴史上の汚点になる。岸田首相はこうした声にこそ、謙虚に耳を傾けるべきだ。 https://t.co/cJEZuWfTlc
— m TAKANO (@mt3678mt) September 20, 2022
村上誠一郎衆院議員は不参加の理由について、「国葬に納得できないため」と説明し、「安倍氏の業績が国葬に値するか定かではないうえ、国民の半数以上が反対している以上、国葬を強行したら国民の分断を助長する」「こうしたことを自民党内で言う人がいないこと自体がおかしなこと」「財政、金融、外交をぼろぼろにし、官僚機構まで壊した。国賊だ」と語りました。まったくもって正論であり、異論の余地はありません。しかしアベ元総理を国賊とまでこき下ろす辛辣な批判は党内からの反発を招くことになりかねません。反発が高まり排除されるか?それとも村上氏の声に呼応する形で賛同者が集結するのか?後者であれば自民党にもまだ望みはありますが、果たしてこの結末は如何に!?
国葬賛成派の中には、総理としてのこれまでの実績(ほぼないようなものですが)よりも、思想信条で支持する人もいると思います。例えば拉致問題、これまでの国会議員の中で最も拉致問題に取り組んできたのは安倍さん、という意見が多いのは確かです。2002年9月の小泉訪朝に同行した安倍当時副官房長官の北朝鮮金正日を厳しく睨みつける視線が当時話題となりました。この歴史的両国首脳の握手も、裏で安倍が取り仕切り「決して笑顔を見せないように!」と小泉総理に助言したと言われています。
そしてこの翌月、拉致被害者が一時帰国することになりますが、この時に拉致家族が北朝鮮に戻るのを阻止したのが安倍晋三と言われており、この説はいまだに語り継がれています。この件があったからなのか分かりませんが、拉致家族からの信頼がより強いものになったと言われています。ところが、当時の安倍の上司である福田康夫氏が最近になって安倍氏が北へ戻るのを阻止したことを否定するインタビュー記事が掲載されています。
安倍晋三は生前、「一時帰国した拉致被害者を北朝鮮に戻す事に反対したのは私だ」と英雄気取り。
— ボンボン (@sikisatiyuamoka) September 17, 2022
対して、それは嘘だ!と強く訴えていたのが蓮池透さん。
福田当時官房長官が事実を明かす。 安倍晋三はここでも嘘をついていた。自分にとって得になる事には平気で嘘をつく駄人間を国葬?悪い冗談 pic.twitter.com/Dkp9VWHWlT
拉致被害者家族の蓮池徹氏が、自分が中心になって北へ戻るのを阻止したとメディアや文献などで周知しているように、安倍本人は係わりはないのは間違いないでしょう。冷静に考えてみて、そんなことをしたら今後の拉致被害者帰国の交渉に支障がでるのは明らかであり、北に残した家族が何をされるか分からないし、政府役人の立場からして北へ戻るのを阻止するのは無茶としか言いようがありません。しかしなぜか「北へ戻るのを阻止した安倍さん」が保守界隈から評価されていることに違和感を抱かずにはいられません。そしてそのことを安倍本人も否定する訳でもなく、政権維持のために拉致問題を利用していたと蓮池徹氏に批判されても仕方がありません。そしてもう一つ拉致問題を利用していると言われている案件がこれです。
先日報じられた、拉致被害者2名の一時帰国を北朝鮮側から提案されたが、当時の安倍政権が拒否していた問題。
— Dr.ナイフ (@knife900) September 18, 2022
2020年参議院で有田芳生議員(当時)がこの問題を質疑していました。
有田議員「田中実さんはどういう人ですか?」
安倍総理(当時)「元ラーメン屋の店員です」
そんなこと聞いてないし pic.twitter.com/vdiTzEsHMj
拉致被害者が生存していると北朝鮮側から伝えたことを問い質されると、安倍総理はまともに答えようとしない、安否の確認を怠り6年も放置していたことが明らかになったこの国会質疑は大変衝撃的でした。安倍政権では拉致問題が進展しないのは当然です。向こうから持ち掛けられても交渉の席に着こうとせず、北へ強硬な姿勢を示すだけなのですから。それなのに拉致問題では他の誰よりも取り組んでいると持ち上げる罪深い一部保守界隈の連中、拉致問題は安倍政権の礎として政治利用されたと言われても仕方がないでしょう。
法的根拠の問題もありますが、皇族以外で国葬で弔われる人物とは誰からも尊敬されるべき人物であることが最低条件であると思います。安倍元総理がその人物だったのかと言えば、決してそのような人物とは言えるはずありません。国葬反対の声が多数を占めているこの状況がすべてを物語っていると言えるでしょう。