
鹿児島知事選は他の自治体と比べると地味というか保守地盤の強い土地柄もありはっきり言って無風状態なんですね。そんな訳で自民公明が推薦する候補者が勝ち続けている訳なんです。
現職の伊藤祐一郎知事は鹿児島県の公選知事としては初の四期目を目指す事になります。自民党からすれば決して逆らう事はないし、使い勝手が良いこともあり、伊藤に対して早々と推薦しました。
ところが伊藤知事の評判ですがはすこぶる宜しくありません。鹿児島のお膝元にある川内原発再稼働に積極的であり、脱原発派気運が高まっている中において唯一再稼働させている県知事という事もあり、県内だけではなく国内の反原発派からの伊藤批判は相当強いものです。
原発ほど安定供給出来るエネルギーが他にはなく、火力も燃料を輸出依存していることから燃料高騰と環境破壊という懸念もあり、新エネルギー開発までは存続させるべきだと私は思うのですが、脱原発派への挑発とも言うべきか「避難の必要がない。普通に生活してもいい。もし福島みたいなことが起きても、もう命の問題なんか発生しない」と発言しており、原発事故の起きた福島に対して何の配慮もなくこんなセリフを吐くとは信じられません。
伊藤知事は官僚時代に石川県の財政課長に出向し、北陸電力・志賀原発の立地計画に携わったことから原発問題に関しては肯定的な立場を表明しています。全国で唯一、川内原発が稼働しているのも伊藤知事の強い原発依存によるものだと捉えていいでしょう。
それ以上に怒りを買ったのが2013年、利用が低迷する鹿児島空港の上海便の航空路線維持のため県職員らの上海派遣研修事業を発表した事です。舛添に引けを取らない高額出張費なども取り上げられ問題視されたことで税金の無駄遣いだとリコール運動にまで発展しました。当時私もリコール署名したのですが残念ながら署名に必要な人数が足りずあえなく断念となりました。


元官僚の知事という事もあり産業が乏しい鹿児島県に利益誘導するためには便利な人材ですし、中央政府からすれば使い勝手が良いのでしょうが、無駄な箱ものを作ろうとしたりお殿様気分で無駄にお金をジャブジャブ使っているという印象がぬぐえません。
更に政府に対して消費税10%への増税すべきだと提言するなど自民党政府に忠誠心のある立派なポチぶりです。
そんな悪評高い伊藤知事に対立候補として立ち上がったのが元テレビ朝日コメンテーターの三田園訓氏なのですが、これまでの無名対立候補とは違い、テレビコメンテーターとしての知名度もあり伊藤知事対抗馬としては申し分ありません。
ただ三反園氏の懸念材料としては反脱原発派と称した左翼陣営に取り込まれ、必要以上に反原発を強調したり戦争法反対とかといった余計な事に首を突っ込んだりしないか心配ではあります。そうなると伊藤や自民の思うツボとなり保守地盤の強い鹿児島の保守層から総スカンされてしまうことになるでしょう。本人が言わなくとも周りが強調して発言しそうですから応援陣営は慎重に選んでもらいたいところです。確かに三反園候補も脱原発を公約として掲げていますが、社会政治記者として長く活動していただけに堅実な現実路線を取っていくのではないかと思います。
保守地盤が強いからこそ伊藤のようなワンマン県政がまかり通ってきた鹿児島です。それを変えるためにも地殻変動を起こしてくれるものと信じ期待しています。
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