
リフレ派待望の追加緩和の発動、しかも日本初のマイナス金利導入となりました。このマイナス金利ですが、日本銀行の発表によると銀行の当座預金が現状金額より大幅に増えた分に限り利息を取るもので我々が預ける銀行への預貯金金利がマイナスになる訳ではありません。貸出金利も従来と変わらないので庶民には何ら影響はありません。要は日銀による小手先の仕掛けであると言えます。しかし市場はマイナス金利導入というインパクトに反応した形で好転しています。
為替はドル円が前日より2円安となり日経平均は500円上振れたものの最高値二万円には程遠い水準、正直サプライズ当日としては反応は鈍いかなという印象ですが、果たして今回のマイナス金利緩和でどこまで上伸することができるかです。
間違いなくこのタイミングでの追加緩和は甘利のスキャンダル封じ狙いです。TPP合意となり調印式を来月に控えたこの時期でのTPP担当大臣のスキャンダルは市場への影響は避けられません。
それを封じるための手段として用いられた今回のサプライズ緩和であると言えます。更に今だチャイナ・ショックにより年初から株価下落という状況、15兆円と言われるGPIFの年金注入分の損失、政府が推し進めている経団連への賃上げ要請も株価下落円高では賃上げできる訳がありません。これらを全て解決に導く上での追加緩和策は安倍政権側からすればまさにしてやったりといったところでしょうか。
しかし今回の追加緩和、インパクトはあっても実際の景気底上げ効果があるとは到底思えません。家計消費も減少の一途を辿り、10−12月期のGDPマイナス成長も確実と言われている中でマイナス金利導入したところで株価をつり上げ大企業の含み益を増やすだけ、庶民には何ら恩恵を受けることはありません。
深刻なのはこれまでTPP交渉を主導してきた甘利の辞任です。まだ全容が明らかになっていない合意内容を把握している?唯一の人物が消えてしまい、国民に概要を知らせることなくTPPの調印がされていいものでしょうか?なりふり構わず政権維持のために仕掛けてきたマイナス金利という劇薬、今後の市場動向もそうですが、これまでの失政を誤魔化す小手先の手口に惑わされてはなりません!!
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